防災講座・風水害を知って備えよう
通信11月号の行事報告でも紹介している恒例の防災講座。
今年はコロナ禍ということもあり、予約制で開催しました。
当日は定員いっぱいの6組の親子が参加しました。
講師は、横浜市南消防署予防係の内山雅彦さんと大木貴文さん。
水の危険さや避難レベルの説明、避難時の注意点など具体的なお話が聞けました。
注意報や警報の数
注意報 10種類
警報 7種類
特別警報 6種類
土砂災害警戒区域
横浜市で24263箇所、南区で160箇所指定されている(2020年9月28日現在)
最新版のハザードマップを区役所で配布しているので最新情報の確認を。
水の危険
冠水・浸水時
基本的には出歩かないで!
どうしてもの場合は。。。
・リュック(両手が使えるようにする)
・運動靴(長靴は水が中に入ると重くなるうえ滑る)
・傘などの棒で地面をつつきながら歩く(マンホールや側溝の蓋が水圧で外れている可能性がある)
自家用車には「レスキューハンマー」を積んでおくともしもの時に役に立つ。
浸水が予想できるなら高台に避難をし、浸水地域は近づかない。
地下施設への浸水の怖さ
10㎝で4kg、30㎝で36kg、50㎝で100kgの水圧がかかる。
扉の開閉ができなくなるので、浸水時は早めに避難を。
風水害への備え
身の回りを確認
・家の周りの飛ばされやすい物を片付ける
・むやみに外出しない
・自転車や看板などはしまう
・物干し竿や植木鉢が飛ばされない工夫をする
非常用持ち出し袋の中身を確認
・ハザードマップ裏面に一般的なものを掲載しているので参考にする
・乳幼児連れの場合は粉ミルクやオムツ、おもちゃも忘れずに入れる
・食料と水(飲料水)は必ず用意する
・今年から新型コロナウィルス感染症予防対策として「マスク」「体温計」が追加になった
避難情報の変更
警戒レベル3→高齢の方、障害のある方、乳幼児は避難
ただし、避難するのが危険な場合は、水平避難や垂直避難などで命を守る行動をとること
警戒レベル4→速やかに避難先へ避難
警戒レベル5→すでに災害が発生している状況
必ず避難所があいているとは限らないので、事前にホームページや区役所で確認を。
避難とは難を避けること。
垂直避難(自分の住んでいるところの上階に避難)や水平避難(親戚や友人宅に避難)することも有効
避難所へ行くだけが避難行動ではないということを覚えておいてもらえればと思います。
マイタイムライン作成シートの活用
あらかじめ家族の中で話し合いをしておくと対応がスムーズに。ぜひ活用を!
避難するときの注意
停電中の場合は、スイッチを切る、プラグをコンセントから離脱する、自宅を離れる際はブレーカーを落とすなど、
風水害の時も地震の時も同じ対応をしてください。
外見上損傷がない場合でも、壁の中の配線が故障している可能性も。
再通電から長時間経過した後火災に至る場合があります。
煙が出るなど異常を発見した場合はすぐに消防へ連絡をしてください。
罹災証明書(りさいしょうめいしょ)
・災害の被害にあわれた方の申請によって被害状況の調査を行い、
被害状況に応じて「全壊」「大規模半壊」などを認定し証明するもの
・風水害の罹災証明書は消防職員が現状確認後に区役所で事務手続き後に発行
・すぐに修理したい場合は、修理前に業者に写真を撮っておいてもらいましょう
紙芝居と絵本の紹介
講座の中で、横浜市消防局が企画監修した紙芝居と絵本の紹介がありました。
紙芝居は動画でも見られますので、この機会に親子で防災について楽しく学んでみてください。
防災紙芝居編(風水害)
風水害が学べる防災紙芝居【みんな森の子供たちとアウル爺さん】
他にも楽しく学べるコンテンツがたくさんあります。
気になる方は 「横浜市民防災センター BOSENチャンネル」で検索してみてください。
質疑応答
Q.絶対に備えておく必要なものはズバリ?
A.個人的には「水」。台風が近づいているなと思ったら、お風呂のお水を貯めるなどして備えてください。あとは「現金」。「非常用トイレ」もあると安心ですね。
Q.乳幼児を連れての避難は大変。
A.レベル3で避難開始するのはもちろんですが、悪天候になる前に早めの避難を心がけてください。避難所じゃなく垂直避難でもOK。自宅でも1階ではなく2階に寝るなどして命を守る行動をしてください。
Q.非常用持ち出し袋に入れておく必要最低限のものを教えてください。
A.水、食料、非常用トイレ、衣類、タオル、ランタン、ウェットティッシュなどは必要になると思います。
Q.風圧で家のガラスが割れることはありますか?看板などが飛んできて窓ガラスが割れるのは風速何メートル以上ですか?対策として雨戸がないのでダンボールを外側から貼り付けています。
A.割れる可能性はあります。割れにくくできていますが、最大瞬間風速80m(電柱が折れるくらいの風速)が何度も吹くと耐えられないことも。10~15mで歩きにくくなり、20mで転んだり木が倒れたり看板が飛ぶくらいの強さです。ダンボールは割れた時の飛散防止にもなりますしとても良い対応だと思います。
Q.人口の多い横浜で十分な避難所が確保されていますか?他の地方ではコロナ禍で定員制限のため別の避難所へまわされた例があると聞きました。天候が悪くなってから高齢者や子連れの人が移動するのは心配。でも過密の状態で避難所で長い時間過ごすのも心配です。
A.全員が避難することは想定していませんので、避難所がいっぱいになることはあります。事前に区役所総務課に連絡して空き状況を確認してから避難をしてください。通常避難所にならない場所(スポーツセンターなど)でも避難所として開くこともあります。
Q.マンションでは上階に電気で水を汲み上げているため停電するとすぐに断水に。災害時の給水マップを調べたらどこも遠くて心配になりました。
A.地下に飲料用の水を貯めているマンションもあります。2~3日すると給水車も来ますので、空き容器の準備などしておくとよいでしょう。
Q.子どもが消防車が大好きなのですが、紹介してくれた絵本はどこで買えますか?
A.有隣堂で買えます。
Q.子供が多いので非常用持出袋がすごい荷物になる。まとめて入る大きな避難用リュックはあるものですか?今は大きめのトートバッグに入れています。
A.一時的に避難する、ということで小さいものが多いですね。両手が空くよう丈夫なリュックなどを選んでもらえるといいと思います。
Q.コロナ禍で避難するのは不安。対策していることはありますか?
A.収容人数を減らす対応は各避難所で行っていると思います。詳細は区役所で確認を。消毒液は避難所にあるので、マスクと体温計を避難用持出袋に入れておいてください。
Q.ペットは避難所に連れていけますか?
A.大丈夫です。避難所の室内には入れませんが安全な室外に避難できます。ゲージとペット用の餌を持参してください。
Q.給水車から水をもらう場合は、自分で容器を準備する必要がある?
A.自分で持ってきた容器に入れるのが通常です。簡単に潰せる容器を準備しておくといいと思います。
参加者のみなさんには、浸水・土砂災害のハザードマップや防災マップ、防災よこはまなど、
いざというときに参考になる資料を配布しました。
ひろばにも掲示していますので日頃から意識して備えましょう。
参加者の感想
「避難とは難を避ける」という言葉がとても印象に残りました。一家族の人数が多いので、非常用持出袋の準備が大変ですが、必要なものを改めて再確認しようと思いました。ありがとうございました。(Kさん)
貴重なお話をありがとうございました。日々に追われて考える時間をなかなか作れないので、このような機会があってよかったです。たくさん役立つ情報をありがとうございました。(Iさん)
いろんな話が聞けてとても参考になりました。(Hさん)
資料がたくさんあってわかりやすかった。自分の家の周囲がどうなっているのか知れてよかった。(Tさん)
とてもためになるお話をありがとうございました。防災用の荷物の見直し、帰宅し次第とりかかろうと思います!
(Iさん)